2003-04リーガ、10月編
いよいよCLと共にCopaのトーナメントが
始まり、スケジュールの厳しさを
ひしひしとその身で味わうラ・レアルの選手たち!
待ち受けるのは天国なのか、地獄なのか!?
写真は試合の時間経過とは関係なく並んでいます
詳細不明の試合もあるので、何か情報ありましたら教えてください
*…10/05、セビージャ戦(C)…*
セビージャの堅守をどう攻略するかがラ・レアルの懸案の一つだったこの試合。
しかし、予想に反し開始4分でカルピンの絶妙なクロスを
ダルコがヘッドで押し込み先制。ラ・レアルが幸先のいいスタートを切った。

そして、このプレイでセビージャの正ゴールキーパー、ノタリオが負傷。
代わって控えGKのエステバンが今季初の試合に臨むことになった。

(↑アイトールとレジェス)
流れはラ・レアルに傾くかと思えたが、先制点から
9分後、マークを振り切ったレジェスが攻撃の基点となって、
バプティスタからD・シルバへとラストパスが通る。
キーパーと1対1となったダリオは、右足で豪快なシュートを決め
ラ・レアルはあっという間に同点に追いつかれてしまった。
それ以降はエステバンの一人舞台。
元スペイン代表GKエステバンは、
前半終了間際のシャビのヘディングを
始め、後半のデペドロのFKなど、
10を越すラ・レアルの攻撃をことごとく
阻み、ゴールマウスを死守した
後半76分、前週トルコで
行なわれたCL戦の疲労が滲み
始めたFW二人をドゥヌエ監督は
思いきって同時に交代させ、
デ・パウラ、イを投入するが
セビージャの4バックに動きを封じられ
結局ドローのまま試合は終了した

 

ドゥヌエ監督:
「CLを戦ったあと、週末を100%の体調で迎えるのは至難の業だ。
60〜70%の力ではリーガののチームには勝てないだろう。ニハトは
イスタンブールでの試合のダメージで、今日の試合も直前まで出ら
るかどうか分からない状態だった。ニハトとダルコの攻撃が成功する
かどうかは、二人の機動力にかかっているが、最後の時間帯には
二人とも動きが止まってしまっていた。相手DFの守備を崩す動きが
出来ないようならば、新鮮が選手を入れるべきだと判断したんだ」
*…10/08-Copa Del Rey-、オビエド戦(F)…*
リーガ、CLに続き、第3の大会、コパ・デル・レイの本戦が開幕。初戦の相手は現在3部にいる、オビエド。
実はこのオビエドは、ラ・レアルと因縁浅からぬチームで、さかのぼること3シーズン前、00-01の降格争いでこの2チームは最後までつばぜり合いを演じていた。
最終節にラ・レアルはオサスナに勝ち残留を決めたが、その結果、オビエドの降格が決定したという歴史がある。
試合前、アストゥリア地方のメディアはその因縁を強調していたが、実際会場で最もヒートを買っていたのは、2年前までオビエドに在籍していたボリスだった。
(←グル) ラ・レアルはリーガ、CLではなかなか出番の回ってこない若手中心にスタメンを構成。
バルケロとイの二人がFW2Top、カンテラの3人スビアウーレ、プリエト、ガリードがデビューした。
トーナメント2回戦まではアウェーでの1発勝負。格下相手という余裕は命取りになる。
昨年、1回戦で敗退しているラ・レアル。今年の試合も予想以上に実力が拮抗した内容のものとなった。
前半ラ・レアルはペースを握り、先制点も24分、バルケロ(→)が決めた。

しかし、そのまま試合がすんなり終わらないのがコパ。後半開始直後には同点に追いつかれ、それ以降オビエドに攻め込まれる時間が長く続いた。
監督でさえも最悪の結果を覚悟したロスタイム、交代で入ったガビロンドがデ・ペドロからのラストパスを受け勝ち越しゴール。4年ぶりの1回戦突破を決めた。
               (→プリエト)

一挙一動にブーイングを浴びたボリス(←):
「こんな反応されると思っていなかったからちょっと落ち込んだ。この街にはいい思い出しか残っていないし、オビエドで自分はうまくやっていたと思ってる。今日は嫌な思いもしたけど、でもオビエドにはこれからもがんばって欲しい」
ドゥヌエ監督:
「大番狂わせが起こってもおかしくないのがコパの怖さだね。前半は我々のペースで、このまま行けばゴールを量産出来そうな勢いだったのが後半には状況が激変してしまった。オビエドに主導権を握られ、彼らの動きが疲れで鈍くならなければ、ペースを取り戻すことが出来なかった。後半オビエドに同点にされたときは、正直、嫌な結果が頭を過ぎったよ。
カンテラの若手はよくやったと思う。個人的に誰かを特に褒めることは難しいけれど、上出来な内容だった。いい経験になったはずだ。
オビエドの試合はビデオで見いてたが、彼らは良くまとまったいいチームだ。3部のレベルは判らないが、彼らはきっといい成績を残せるだろう。フィールドも素晴らしい状態で、プリメーラと比べ遜色なかったよ」
*…10/19、アルバセテ戦(F)…*
3日後にCLのユベントス戦を控えていたアルバセテ戦。
しかし監督は主力を温存せず、ベストメンバーでこの一戦に臨んだ。
しかし、選手たちの精神状態にユーベ戦の意識があったのか、
リーガ6試合を終えて、高い集中力でゴールエリアを守ってきたラ・レアル守備陣が
格下と思われていたチームを相手に、3点も許す予想外の展開となった。
それもわずか11分の間に3失点である。
前半多くのチャンスを作っていたのはラ・レアルだったが、昨年だったら決めていたはずの場面でシュートを外し、無得点のまま、後半70分まで試合は進んだ。
残り15分を切った時点で、突然試合が激しく動き出す。パッリのコーナーキックをデルポルテがヘディングであわせ、先制したのはアルバセテだった。
(←1-0)
その5分後、ダルコがヘッドで落としたクロスをニハトが素早くゴール上隅に叩き込み同点とした(→1-1)。しかし、すぐさまダヴィド・サンチェスがハーフラインからドリブルでDFを振り切り、GKヴェステルフェルトの頭上を越えるループシュートで逆転。(↓2-1)
その数分後、シャビのFKは惜しくもバーを直撃。
結局、さらなる追加点を奪ったのは、アルバセテだった。
この試合がデビュー戦だったらアランドが再びキーパーの頭上を狙い、
バーに弾かれたところを自ら押し込み、試合を決める3点目を上げた。(↓)
ヴェステルフェルト:
「なぜ負けたのか納得がいかない。勝利をほとんど手に入れかけていたのに…。シュートを1本も止められず3点も入れられてしまった。前半は我々のペースだった。チャンスにゴールを決められなかったけれど、ハーフタイムには皆、勝利を確信していた。だけど結局、好機に決められなかったツケを最後に支払わされる形になった。先制されてもすぐに追いつくことが出来たのに、その直後にまた逆転されて、チームの気持ちが挫けてしまった」
アランブル:
「勝てるようなプレイをしなきゃ勝てないよ。イタリアに行く前に勝つことが出来れば、精神的に余裕を持ってユベントス戦を迎えられたんだけど、そうはいかなかったね」
*…10/26、オサスナ戦(C)…*
アルバセテ戦で露見した守備の脆さ、ユベントス戦でチーム内から噴出したローテーションへの不信、メディアからの批判…。
チームの周りに不穏な空気が漂い始めた第8節の相手は、これまで絶好調、10/26時点で4位のオサスナとのバスクダービー。
頭上を覆い始めた暗雲を振り払うためにも、どうしても勝利を収めたいラ・レアルだった。


(ウェボとアルキサ)
前半からタイトなサッカーを展開するオサスナに比べ、精神的な不安定さが垣間見えるラ・レアルは、ロングパスをゴール前に入れられ、たびたびピンチを迎えた。攻撃面ではDFのウェボに抑えられ、オサスナゴールを攻めあぐねていたが、38分ガビロンドのコーナーキックをシュレールがヘッドであわせて惜しい場面を作った。
全体的に審判が笛を吹く場面が多く、流れが止まりがちな試合展開だったが、後半オサスナが引いて守る戦法を取ったため、ますます試合は膠着状態となった。

ラ・レアルはフィールドを駆け回りチャンスを作り出そうとするが、ゴールに結びつかないまま時間だけが過ぎていった。(↓バカヨコとダルコ)

そしてオサスナDFに疲れが見え始めると、シャビとアルキサの中盤でのボール回しに余裕が生まれ、両サイドのオーバーラップも見られるようになる。その結果、終了15分前、アイトールのクロスをダルコがヘッドでゴール下隅に打ち込み、待ち望まれた勝利を何とかもぎ取ったのだった。
ダルコ:
「今日のゴールはアルキサへの誕生日プレゼントだ。zorionak Bittor!嫌な試合が続いた後に、大事な勝ち点3を取れて良かった。この勝利でチームに冷静さが戻って、さらに上を目指していかないと。今シーズン、対戦相手は俺たちのこと良く研究してきている。俺にとってもニハトにとっても、得点するのが非常に難しくなってきたことを感じてるよ」
アルキサ:
「ここ3試合、勝ちに見放されていたので、この勝利は何物にも替えがたいね。ただ、決してこれで安心できるわけじゃないけど。
(ローテーションについて)多くの試合をこなす必要がある中で、試合に出る選手が入れ替わるのは当然のことだ。次の試合や次の月の試合のことだけを考えるのではなく、シーズン通してどう体調を整えていくかを考えないと。もちろんどの選手も、毎試合出たいと思ってる。しかし、今の状況を理解しそれに自分を適応させないと。
(ダルコからの誕生日プレゼントゴールについて)気を使ってもらってすごく感謝してる。でも、もうこの年(33歳)にもなるとあまり誕生日も嬉しくないんだけどね。もう選手生活が残りわずかになってきたことは自分でも理解してる。デビューした時と同じようには身体は動かないからね。だけど、契約が残っている間は、自分の出来る最大限のことをしてチームに貢献したいと思ってる」
ドゥヌエ監督:
「たった2敗でチームの危機だというのは多少大袈裟に言いすぎではないかと思う。この"危機"を勝利で切り抜けることが出来て、事態は好転していくはずだ。この試合を取り巻いていた緊張感が勝利を呼び込んだのではないだろうか。リーガだけに専念するのが難しい今の状況では、多少精神的にプレッシャーを受けていたほうが勝利への集中力が高まるのかもしれない。
(リーガデビューのプリエトについて)15分のプレイで彼を評価するのは難しい。大事なことは彼がこの1年間、われわれトップチームと練習を重ねてきた結果、今日のデビュー戦を迎えることが出来たということだ。彼の才能を充分我々も信頼していたので、デビューはタイミングの問題だった。今日のことは今後、彼のキャリアを支える大きな自信になってくれると思う。
(プレスについて)彼らに対してわだかまりはもうない。この件の問題は通訳にあった。翻訳のためではないと思う。ヴェステルフェルトのコメントに関して言えば、彼がそんなことを言わなかったとは言っていない。ただ、私は彼から直接そのコメントを聞いたわけではない。直接彼から話をされていない限り、私にとってその話は聞いていないのと同じことだ。彼とは試合前も後も握手をした。それは大きな意味を持っていると思う。この件はもうこれで一件落着だよ」

**祝!プリエト君リーガデビュー**
68分にカルピンと交代し、リーガデビューを飾ったプリエト。
調子の良かったカルピンの後を受け、その不在を感じさせないプレイを披露した。
これがドゥヌエ監督になってから初のカンテラ出身選手のデビューである。
わずか15分であったがその積極的なプレイは将来を期待させる申し分ないものだった。
*…10/30、アトレティコ戦(F)…*
オサスナ戦の勝利で再びチームの前途に希望を見出したかに見えたラ・レアル。
しかし。
マドリーに乗り込み迎えたアトレティコ戦…
結果からいうと、4-0の大敗
さらに、アルバセテ、ユベントス、このアトレティコ戦で
合わせて
11失点
チームの危機は
さらに深まっていた。
選手たちにただ目の前の試合に集中してもらうことを要求するのは、もはや酷なことなのだろうか。
アルバセテ戦では翌週のトリノのことが脳裏を横切り、トリノではスタメンの問題で試合前にすでに気持ちが削がれていたのかもしれない。
では、今節のビセンテカルデロンの敗戦はいったい何に起因しているのか。


確かに厳しい日程は選手たちの疲労を蓄積させ、中2日の試合スケジュールは練習でチーム戦術を修正する時間さえも奪う。その結果なのかどうなのか、今季目を引くのが中盤の不調である。シャビ、カルピンに昨年の輝きはなく、単調なパス回しで攻撃にリズムが生まれてこない。また、左サイドからの攻撃も、昨年の鮮やかさからは程遠い。
そしてもう一つ考えられるのは、周りからのプレッシャーである。昨シーズンの快進撃によりチームはビッグクラブと同じくらいの期待をかけられている。勝って当たり前、負ければ非難を浴びる…。そのプレッシャーが選手たちを萎縮させてしまっているのかもしれない。しかし、ラ・レアルはマドリーのような「チーム銀河系」ではない。毎年のように優勝争いをすることが義務付けられたチームではないのだ。
この試合でのラ・レアルは、ほとんどいいところなく敗れ去ったといえるだろう。ボールを奪っても前線につなげるまでに時間がかかり、パスは単調、中央にもサイドにも相手ゴール前に切れ込む動きが少なく、逆に相手にはたやすくゴール前までボールを運ばれる…。
さらに問題なのは、それがこの一試合だけのことではなく、もうすでにアルバセテ、トリノと同じような醜態をさらして負けているところにある。
選手を均等に用いることにより、疲労を出来るだけ軽減しようとする意図の下でローテーションを組むことは、この限られた人数で戦うためには仕方がないのだろう。だがその結果、毎試合のようにCBの組み合わせが変わり、守備が不安定になっていることは、この数試合での失点数に現れてるように思われる。
その一方で攻撃の拙さも歴然としている。ニハトが怪我でシーズンを出遅れたとはいえ、スピードが身上だったダルコとニハトのコンビにその勢いがなくなっている。相手DFにきっちりマークされ、スペースを作り出すことが出来ないでいるために、サイドからのクロスもカットされてしまう。

実力のないチームが叩きのめされるのは仕方がない。しかし、この試合でのラ・レアルはむしろ、どうすれば勝てるのかを知っていながら、どうすることも出来ないでいるように見えた。技術的に相手より勝っていながら、その技術を勝利に結びつけることが出来ない。
一時的な不調としてやり過ごすことが出来ればいいが、スポーツは時として技術よりも精神が大きく結果に影響を及ぼすことがある。もはや、自分たちには昨シーズンのようなプレイをすることは出来ないと選手たち自身があきらめてしまったら、事態は簡単には好転しないだろう。
試合後ドゥヌエ監督は、試合の勝敗を決めたのは「闘争心がチームに欠けていたこと」だと指摘した。また「気持ちを一つにすること」がいまこの危機を乗り切るために必要だとも。フィールドの中だけでなく外でも、結束して困難を乗り越えなければ、険しい今シーズンを乗り切れないだろう。また選手だけでなく、すべてのラ・レアルファンが、チームと選手の可能性を見捨てないことが必要だ。彼らが持てる力を発揮できさえすれば成績は後からついてくるはずなのだから。

オラーベSD:
「トップレベルの争いをするためには、今の選手たちには戦術的、技術的な問題以前に解決しなけばならない問題点があると思う。何が欠けているのか、自分たちで気づいて自分たちで修正していかなければ直すことは出来ない。(大量失点について)具体的に特定のポジションにその責任を負わせるべきことではない。チーム全体に冷静さが欠けているんだ。今は細かい議論をしている余裕はない。一刻も早くチームの建て直しが必要だが、あまりにも時間が少ない。CL出場という特典を得たがゆえのハンデだが、この状況に順応しなければ、リーガもCLも戦い抜くことは無理だろう。ファンにお願いしたいことはただ一つ、どうか今、苦しんでいる我々を支えてほしいということだけだ」


サモラコーチ:
「こんなに容易く大勝できる機会は、アトレティコにとっても滅多にないことだろう。しかも4-0のスコアだ。我々はいったいどうしてしまったのかって?練習もろくに出来ずに次の試合を迎えるという状況が、昨シーズンには出来たプレイを出来なくしてしまっている。たとえば攻撃に転じたとき、ラインの間に大きなスペースが出来てしまい、そのスペースを相手に有利に使われてしまっている。平常心を取り戻さないと。大事なことは冷静さを失わないこと。敗因を探ることは必要だが、この負けを引きずらないでバルセロナ戦に臨まなければ」


シャビ:
「率直に言って自分の出来も悪かったし、チーム全体に真剣さが欠けていた。これじゃあ敵も楽勝だよ。後半始まってすぐの2点目が大きかった。同点に追いつこうと意気込んでいた矢先のことだったから。上手くいかないときこそ、チームにまとまりが必要だ。この試合に関しても、これから皆で話し合う。何が悪かったのか、どうするべきだったのか…。ただ、俺たちに与えられてる時間がすごく少ないのがツライ。あっという間にバルセロナ戦がきてしまう」
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