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2003-01-29
「自由」の身となって |
タイフンとラ・レアルの関係に終止符が打たれようとしている。それでも、タイフンはいつもと変わらない笑顔で昨日の午後の練習に臨んだ。
契約の自動延長が履行されないというクラブの決断をタイフンは非常に前向きに捉えているようだった。ラ・レアルとの交渉の可能性を否定しないながらも、タイフンは新しいシーズンに向かって一歩を踏み出そうとしている。
「自分の立場ははっきりしているよ。クラブ側から昨年約束されていたのは、1月中には僕の処遇を明確にするということだった。彼らはその約束を果たしたわけだし、僕はこれで自分の将来について考えることが出来る。だから、クラブには感謝してるよ」
「ここが好きだよ。この町、このクラブ…。だけど、これがサッカーなんだ。大事なことは選手生活をどう過ごし、どう締めくくるかってことなんだ」
選手として今、タイフンは人生の岐路に立たされている。それでも彼は誠実にそして知的に、その事実を受け止めている。
「こうなったことに対して、そんなに驚いてはいないんだ。むしろ、この世界では普通のことだよ。僕は外国人だし、今季の僕の状況もクラブの判断に影響を及ぼしたんだろうね」
スポーツディレクターのオラーベ氏との関係も、決して険悪なものではないとタイフンは言う。
「会長と僕の代理人との関係も良好だよ。代理人の発言は僕の言葉だと思ってもらっていい。誰に対しても怒ってなんかいないよ」
「ラ・レアルで、僕は本当に素晴らしい体験をした。クラブが僕に多くのものを与えてくれたんだ。それに比べたら僕の貢献なんて、ほんの僅かなものだよ。僕を起用してくれて、クラブでも町でも、かけがえのない経験が出来た。すごく幸せに思うよ」
「今、僕が望むことはたった一つ。クラブのために自分の力を役立てたいっていうこと。ラ・レアルと共に、成功を収めたいんだ。夏になれば、僕の将来もどうなるか、はっきりするだろうね」
「こうした状況でも、スタメンで試合に出対って言う僕の気持ちは変わらない。チームもそうした僕の性格を判ってくれてるよ。カルデロンで僕は結果を一つ残せたと思う。それを今後の足がかりにしていきたいね」
ラ・レアルとの交渉の扉は閉ざさないというタイフンだが、もはやラ・レアルだけが交渉相手ではないようだ。
「僕は自由の身になったんだ。4/30までは動けないけどね。方針は定まったよ。シーズンの終わりには、チームとまた話し合うことになると思うけど、これからは移籍のことを考えていかないとね。いい条件の申し出があれば、シーズンの終わりを待たずに話を聞くよ」
elmundodeportivo.com |
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2003-05-05
「僕にとって重要なのは、お金じゃない。サッカーをすることなんだ」 |
今季6回目のスタメンを果たしたタイフン。
「セビージャ戦は少しプレイにリズムが欠けていたかもしれない。2ヶ月ぶりの試合だったからね。水曜日のトルコ代表戦のときにもそう感じたけど、今度のセビージャ戦もそうだった。もっと冷静にならないといけなかったね」
彼は今、自分を取り巻く状況を冷静に理解している。
「今季は個人的にはあまりいいシーズンじゃなかった。だって、僕はベンチを暖めるためにココにいるわけじゃないからね。この試合ではスタメンだったけど、次のマジョルカ戦ではまたベンチだ。だけど、今は僕の個人的な先行きのことを考えたくないんだ。だってこれから残り1ヶ月、チームは大きな目標に向かって進んでいくんだし、このチームで素晴らしい結果を残したいと思ってるんだ」
契約金が下がることは彼にとって重大なことではない。それよりも試合に出れることのほうが大事だからだ。
「僕にとって、試合に出れることが1番だよ。どうすべきか考えてはいるけど、まだ結論は出てない。これから、他チームからオファーがあれば話を聞くけど、ラ・レアルで来季もプレイする可能性が全くないとはまだ言い切れないよ」
もしも、タイフンがラ・レアルを去らねばならない場合にも、彼はスペインリーグでプレイすることを望んでいる。
「ラ・レアルに残れれば1番いいことなんだけど、僕ももう29歳だ。21や22じゃない。この歳で1年間プレイできないのは、とても厳しい状況なんだ。もう残されてる時間はそんな長くない。だから今、僕にとってはお金よりもプレイできることが重要なんだ」
ラ・レアルサポーターのタイフンへの支持は熱い
「皆には、心からありがとうって言いたいよ。だけどプロとして僕は自分の将来を冷静に考えないといけない。だけどはっきりしてることは、ここを去らなければならなくなったら、それは僕にとっても非常に辛いことなんだ。皆の声援を感じて、時々不思議になるんだ。どうしてこんなに応援してくれるんだろうって。3年間、常に全力を出して試合に臨んできたことを評価してくれたのかな?選手冥利に尽きるよ」
「ここを去ることになっても、文句なんかないよ。誰かと揉めたわけでもないし、サンセバスティアンでの生活は素晴らしかったし。ここを離れるときは、チームと町での楽しかった思い出だけを持っていくよ」
ラ・レアルを離れることはニハトと離れ離れになることも意味する。
「もうニハトのお守りの役目は終わったよ(笑)。今や彼はチームにも町にもすっかり馴染んで、誰からも愛されてる。もう一人でも大丈夫だ。ここでちゃんと成長していくはずだよ。辛いのは、ニハトを残してここを去らなければならないことではなく、3年間プレイしてきたチームと離れなければならないことだよ」
来季、チャンピオンズリーグ(CL)でプレイする可能性が高いラ・レアル。
「いつもCLでプレイ出来ることを夢見ていたよ。選手なら誰もが願うことだろうね。CLとリーガの両立で試合数が増えることになるけど、それは出場機会が増えることも意味すると思う。だけど、その可能性だけに賭けて今この瞬間、決断することは出来ない。選手として継続してプレイが出来ることを望んでるんだ」
シーズンの終わりまでに出場機会が増えることを期待しているタイフンだが、同時にそれが難しいことも理解している。
「最後まで誠意だけは失いたくない。シーズン中、出場機会が増える可能性にずっと信じてきた。残り6試合、出場したいと思うけど、チームが好調なときに監督はメンバーを変えないだろうと思う。あまり余計なことを今、考えたくないんだ。チームは夢に向かって進んでいる。シーズンの最後を最高の形で迎えたいんだ。そうでないと、ラ・レアルを去ることが出来ないよ。今、大事なのはそのことだけだよ」
elmundodeprotivo.com&diariovasco.com |
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2003-05-07
ラ・レアルとの再契約の可能性はあるのか… |
-ここ最近のカーサでの試合では、活躍の場が与えられ、見事それに応えていましたね。ラージョ戦ではゴールも決め、セビージャ戦ではスタメンで起用されました。嬉しかったでしょう。
「もちろん。やっと出場の機会がまわってきたんだからね。嬉しいよ。きちんと役目を果たすことが出来たと思ってるけど、継続して試合に出ていないと、自分に自信が持てなくなるんだ」
-もしかするとラ・レアルでの最後のスタメンになるかもしれないという感慨もあったんではないですか?
「まだどうなるか判らないよ。試合も残ってるし、何か決断を下したわけじゃないからね」
-マジョルカ戦では、また控えにまわることになりそうですが…
「確実にそうなるだろうね。試合に出れないことを受け入れないとね。もう何ヶ月も前からそうした状況だったわけで、今回が初めてのことじゃない。個人的には、僕のキャリアの最悪のシーズンだったんだけど、チームとしては最高の状態だ。本当は僕もチームも好調であれば良かったんだけど」
-リーガ前半節ではプレイする機会がほとんどありませんでした。不満が募る状況だったんじゃないですか?
「今年は精神的にとても辛い日々を過ごしたよ。いい経験だったと思う。勉強になったよ。仕事においてだけじゃなく、生活のあらゆる面で影響を受けたね。だけど、文句を言うことは出来ない。生きていれば、いいことばかり起きるわけじゃないからね。今までの僕のサッカー人生は順風満帆だった。フェネルバフチェでの5年間。ラ・レアルでプレイするためにスペインに来たこと…。今年が低調な1年だったとは言わないけど、自分の前に石がいくつも転がっていたのに気が付いたって感じかな」
-…?
「サッカー選手でいることや、人生に疲れたわけじゃないよ。サッカー選手は世界で最高の仕事の一つだと思ってる。だから、人生や仕事について愚痴だけはこぼさないように決めてるんだ」
-ベンチを暖めていた時間が今年は長かったですね…。
「もう2度と、本当にもう2度と!ああいう経験はしたくないね。29歳になった選手にとって、これはかなり厳しい状況だよ。スタメンで出場することがほとんどだった選手にとってはなおさらね。ショックだったよ」
-ラ・レアルがリーグ優勝を果たした暁には、全て丸く収まるんでしょうか?
「もちろんそうだよ!過去2シーズンに比べると、プレイした時間は少なかったけど、全力は出し切ってきたつもりだ。試合に出て2ゴール上げることが出来た。たった2ゴールだけど、点を取ったことには変わりない。ゴールを決めることは今シーズンの目標だったんだ。もっと得点したいと思ってるよ。もし、リーグ優勝出来たらこれ以上嬉しいことはないね。試合に出れなかったことも水に流せるくらいにね」
-優勝することによって、貴方の将来が変わってくる可能性もあるんじゃないですか?
「何が起こるか僕にも判らないよ。皆、僕が出て行くと思って話を進めるけど、まだ他のチームと契約を結んだわけじゃないし、ラ・レアルが僕の代わりの選手を連れてきたわけでもない。以前と別に何も変わってないんだ。だた、一つはっきりしてるのは、僕は今シーズンのような年をもう1年続けたくないってこと。2年間続けてベンチを暖めるなんて、僕には耐えられない」
-ラ・レアルに残る可能性も、まだあるんでしょうか?
「いつでも可能性は残ってるよ。間違いなく」
-率直に言って、どんな条件でなら残りますか?
「色んな条件が整わないと、難しいだろうね。それに、そうした条件が整うことすらも、難しいと思う。僕はプロだから、自分の将来について考えないといけない。ラ・レアルで過ごした素晴らしい日々や、ここの人たちに未練を感じていてもね。今年、僕は試合に出れなかった。それは僕にとって大きな誤算だった。そのことをまず解決しないといけないんだ。お金を多く稼げても、それで幸せになれるわけじゃない。試合に出場せずに、月曜日、町を歩きたくない。自分自身の存在価値を見出せないのに、お金だけ貯まっていくなんて、僕は嫌なんだ。だから、これから僕の元に来る話には、よく検討して考えていきたい」
-ラ・レアルに対して、何か言いたいことはありますか?
「言いたいことがあったとしても、それでどうなる?(沈黙)」
-今年のような年を繰り返すことは耐えられない?
「はっきりしているのは、どの選手にも感情があるってことだよ。自分の目で、周りで何が起こってるのかちゃんと見てる。僕達は馬鹿じゃない。時々世間からはそう思われてるようだけど。僕達だって、世の中の仕組みは判ってる。遠くから見ていると細かい部分までは見えないだろう?僕達は内側にいて、しっかり見てるんだ。感情的な部分も、契約にまつわる事務的な部分も。感情は大事な要素だよ。もし、他のチームと契約しようと思ったとしたら、それは僕の中に新しい気持ちが芽生えたときだと思う。僕が言えるのはそれだけだよ」
-エスパニョルであれば、気持ちが満たされる?
「そういう風に見える?」
-ええ。
「僕に関心を持ってもらえるのは嬉しいよ。今の時点では噂に過ぎないけど。クレメンテとも、他の誰ともまだ何も話していないし。契約が切れる選手にとって、選択肢があるのはいいことだよ。次のチームを見つけるには、まだ数週間かかると思う。もっとはっきりとしたことを話したいと、僕も思ってるけど、今言えることはそれくらいだよ。もしも、ラ・レアルに残ることになったら、僕は全身全霊をかけてチームのために戦うよ。だけど、ここを離れなければならないとしたら、僕はこの町に自分のハートの一部を残していくよ」
-別の機会に言っていましたが、もし別のチームでプレイすることになったとしても、スペインリーグに残りたいそうですね。
「その通りだよ。一番の目標はここに残ることだけど、サッカーには色んな要素が影響するからね。場所はどこでなのか、監督は誰なのか、金額はどれくらいなのか…。スペインに残りたいと思ってるけど、2週間でトルコがいいっていう考えに変わるかもしれないし…」
-決断を下す際に一番の決め手となるのは?
「試合に出れること。それに尽きるよ」
-もしも、タイフンの去就がファンの一存で決められるのだとしたら、その結論は火を見るより明らかです。サンマメス、スビエタ、アノエタなどで、たくさんのメッセージボードが掲げられ、そのどれにも貴方の残留を望む声が書かれていました。
「僕にとって、それはすごくすごく特別な意味を持ってるよ。生まれた国以外で、そんな風に思ってもらってることにすごく感激した。サッカー選手はたくさんいるけど、こんな幸せを味わえる人はそう多くないだろうね。どうしてそんな応援してくれるんだろうって不思議に思うんだけど。皆見ていてくれたのかな?このチームで僕がどんなプレイをしたのか、どんなプレイをしようとしたのか…。それから僕の性格。そういうのを併せて、僕を受け入れてくれたのかな。バスクと言う土地にも、ドノスティアの人たちとも、僕はすっかり溶け込めたと思う。ここでのことは一生忘れない。どこに行こうと、絶対。もしも、ファンのことを思うならば、僕はここに残らないといけないと思う。だけど、僕はプロフェッショナルなんだ。色々なことを考えないといけない。ファンの皆は僕のことを良く判ってくれてるよ。だから、信じてるんだ。僕がここを離れなくてならなくなっても、彼らは理解してくれるって」
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2003-05-07
ニハト |
「シーズンが始まる前にニハトと話をしてたんだ。今年はきっとお前少なくとも15ゴールは決められるぞって。そうしたらニハトは『タイ兄さん、そんなの不可能だって!8ゴールできたらそれでもう十分幸せだよ!』って言ってたんだ。蓋を開けてみたらとんでもない。もうすでに19ゴールだよ!彼の活躍は僕もスゴク嬉しいよ。リーグの台風の目だ。彼は素晴らしい選手だよ。ニハトはダイヤモンドの原石なんだ。ラ・レアルにとっても、それから一人の人間としてもね」
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